用語解説
- ベターマン(ソムニウム)
- 数千年の過去から、その存在の痕跡が確認されてきた超人類の種族。環境や状況にあわせて、自らの姿や能力をよりベターな姿に変貌させることができる。そのため、ベターマンと呼ばれている。もっとも、それは人類がつけた名前であり、彼ら自身はソムニウム一族と自称している。
- アニムスの花
- 欧米では死を呼ぶ花として忌み嫌われている植物。なぜなら、動物や人間の死体のみを苗床とするからである。
この花には、苗床となった生物のL型アミノ酸を鏡像反転させ、大量の酵素エネルギーを放出することで実を結ぶという性質がある。 - ウィウェレの実
- アニムスの実の一種で、非常に特異な存在。ヒトの心臓のように赤く脈打つ特徴がある。他のアニムスの実とは異なり、ベターマンの損傷した肉体機能を再生させるほど、優れた滋養となる。
- アルジャーノン
- 全世界で確認されている、突然大量死現象。最初にそのレポートを発表した研究者の名前から、アルジャーノンと名付けられた。
一種の伝染病ではないかと目されているが、病原菌は発見されず、その他の原因および感染経路不明等も一切が不明。そのため、その存在は一般に公表されていない。
主に神経ペプチド系の異常、ニューロンの異常活性化、神経組織の異常発達などの症状が確認され、結果として気分の昂揚、破壊衝動の異常発露といったパニック障害や、記憶障害が発生する。 - ニューロノイド
- ニューロノイドとは人体に有害な環境や、危険な場所を調査するために開発された二人乗り有人調査用ポッドの総称である。
その基本コンセプトは国際研究機関NEO(ネクスト・インヴァイロンメント・オーガニゼーション)によって提唱され、実際の開発にはその下部機関であるモーディワープがあたっている(もっとも、モーディワープ本部で直接開発されたのは中枢制御ユニットとリンカージェルのみで、それらを組み込む機体そのものは、各支部が独自に提携企業もしくは機関に依頼しているケースがほとんどである)。
ニューロノイドはデュアルカインドと呼ばれる特殊能力者をヘッドダイバー(操縦者)として、二人一組でセリブヘッドとウームヘッドにダイブ(搭乗)させ、その脳内から発生するデュアルインパルスを増幅することによって稼働している。この二人のヘッドダイバーの資質を有効に活用するためのシステムがトランスモード(変型)機構だ。
まず、調査開始にあたって、セリブヘッドダイバーが主コントロール権を持ち、危険要素を排除しながら目的地に到達するためのAV(アクティブ)モード。これは移動力や出力を強化したモードであるためにリンカージェルの劣化が激しいのだが、大気中の物質からTMシステムで合成した化学物質を放出するシナプス弾撃を使用することが可能となる。
そして、AVモードによって目的地へ到達した後はウームヘッドダイバーが主コントロール権を有するAP(アクセプト)モードに変型、腕部に搭載されたレセプターを用いて、ニューロノイド本来の開発目的である調査/分析を行うのである。 - リンカージェル
- エクスプローラー・シリーズの海上プラント(後のモーディワープ本部)にて、メタンハイドレードの採掘中に偶然発見された、古細菌の一種。地球上の地底や海底には膨大なリンカージェルが眠っていて、様々な情報を蓄えているという(リミピッドチャンネルは、ここから情報を受信する能力だという説もある)。
デュアルカインドが放つデュアルインパルスに反応して、大きなエネルギーを発生させる特徴がある。そのため、これを動力源とすることで、ニューロノイドは開発された。もっとも、連続使用するとこのリンカージェルに不純物が堆積するため、ニューロノイドの活動可能時間は有限のものとなってしまう。 - デュアルトライブ
- モーディワープ本部で育成された、擬似デュアルカインド。戦闘用ニューロノイド・ブロッサムの部隊を設立するため、そのヘッドダイバー要員として研究されていた。戦闘訓練を受けた人間に、生化学的処置を行うことで誕生する。
- モーディワープ
- 次世代環境機関NEOが設立した、下部機関のひとつ。
本来の役割は、アルジャーノンという人類全体の脅威に対する調査研究機関であるとともに、調査に投入する設備を開発する機関でもある。だが、その調査対象であるアルジャーノンそのものが、各国政府の判断で長らく存在を秘匿されていたこともあって、設立からしばらくの間、モーディワープの実態は分厚いベールに包まれたものであった。 - 有限会社アカマツ工業
- 事業所所在地/神奈川県川崎市
設立/1993年4月1日
資本金/1500万円
売上/260億円(2006年2月期)
従業員数/49名(2006年4月1日現在)
事業内容/建機、玩具の開発製造
取締役社長/阿嘉松滋
二十世紀日本の産んだ最後の発明家とも評され、数々の特許を取得していた阿嘉松滋が、自分のアイデアを製品化するために作った企業。そのため、その社風には独特の空気があり、世に知られている数々のヒット商品が送り出されたのもそのユニークな会社形態と無縁ではない。 - B.P.L.
- 梅崎博士が所長を勤めるバイオ・プロビジョン・ラボラトリー(生工食料研究所)。現代バイオテクノロジーの最先端を駆使して、世界の食糧事情を支える研究を行うため、釧路の地に設立された研究機関である。 次世代環境機関NEOによって設立されたこのB.P.L.こそ、この時代の世界の食糧事情を支えていると言っても過言ではない、バイオテクノロジーの総本山である。
- 超人同盟
- 魔門麦人が代表取締役社長を勤める総合情報商社。風水やダウジングを用いた企業コンサルティングやカウンセリングを業務として、数年のうちに急激に成長した。その調査内容は正確この上なく、顧客リストには企業のみならず、大物政治家の名も並んでいる。世界各地からスカウトした特殊能力者を多く用いるほか、特殊能力者の早期発見、育成にも力を注いでいる。
- リミピッドチャンネル
- 場に存在する意識の波を受信する、一種の精神感応能力。その場にいた者が考えていたことや、知っていたことを読みとることができる。そのため、一種の予言のようにも見えるが、もちろん情報ソースのないことを言い当てることはできない。交信中は額に光が点滅する。この能力を持った者が複数いた場合。テレパシーのように相互で対話することが可能。 サクラは巨大な能力の持ち主であり、幼少から莫大な量の情報に接してきたため、ADHDとなってしまった。
- アミュレットスーツ
- モーディワープが開発した特殊防護服。細菌兵器、化学兵器などに対する防衛機能を有しているが、アルジャーノンの実態が明らかになっていない以上、気休めでしかない。
- ボトム・ザ・ワールド
- 地下200メートルに建設された巨大遊園地。子供たちを楽しませるはずだった機械仕掛けのアトラクションたちが暴走し、人間を襲い出す。それはアルジャーノンを発症した者たちの暴走の結果であった。
- くびてれび
- ケータ愛用のアカマツ工業製携帯ゲーム機。専用ROMをセットして、モーディワープ職員専用通信機となる。
- ダイブスーツ
- ニューロノイドにダイブした際、ヘッドダイバーの身体情報をモニターするための端末。ダイブに必ず必要というわけではない。
- 海上エアポート「ホタルイカ」
- 東京湾に建設された海上エアポート。夜空から見た時のその形状から「ホタルイカ」という愛称が与えられている。
- 人型の光
- 学校の地下に降りていく途中、ケータが目撃した不思議な光。
- 眠りのまゆ
- 戦闘形態に変身した後、ベターマンは数時間の深い眠りを必要とする。その間は完全に無防備になってしまう身体を包み込むために、自ら作り出す物体である。
- L.T.P.解析装置
- カエデの特殊能力であるロングタームポテンシェイションによって、脳内の短期記憶領域「海馬」に保持されたインパルスパターンを解析する装置。
- アジャンター石窟
- 19世紀にイギリスの士官が発見したインド中部の石窟寺院。21世紀に入ってから地下の奥深くに未知の遺跡が発掘され、調査隊が派遣されたが全員の消息が途絶えている。
- 夢の本棚
- リミピッドチャンネルを使えなくなったサクラの夢の中に現れたイメージ。封印された本棚がリミピッドチャンネルであり、鍵をかけられた本はそれを使えなくなったことの象徴であった。
- マニージマシン
- モーディワープが開発した、リミピッドチャンネルを制御するための機械。このシステムに一日のうち数時間を委ねることによって、かろうじてサクラは精神を安定させることができる。
- 愛しの香りちゃん17歳
- 分析した匂いと同じものを3分ほどで合成して、瓶詰めの香水にするアカマツ工業製アミューズメントマシン。1回500円とちょっと割高なことと、ネーミングセンスやマスコットキャラ香りちゃんの演技などに漂うほのかなオヤジ臭さが災いしたのか、商売的には散々な結果に終わり、倉庫に眠っていた。
- よりぬき香りさん18歳
- アカマツ工業が開発した、愛しの香りちゃんの携帯機バージョン。サイズは小さくても、ちゃんと合成した香りを放つことができる。
- 生医学材料センター
- 低温保管されている移植用臓器を、移植コーディネーターたちが保管・管理するセンター。研究用として、完全に死亡した遺体も安置されているようだ。食堂の出される分厚いステーキと地元のワインも大人気。
- ソルソルミラー69
- アカマツ工業製の鏡付きヒゲ剃り。剃る時の角度にあわせて、鏡の角度が調整される優れ物だが、曇ってしまうことへの対策はなかったようだ。
- 欲の袋(のぞみのふくろ)
- 数千年の過去から存在し、ヒトの生命エネルギーを喰らって生きてきた謎の物体。その正体はファーリと呼ばれる種類のアニムスの花で、古びた袋の中につめられたリンカージェル漬けのヒトの生首から生えている。養分を摂取する際は、リミピッドチャンネルを使って、近づいてきたヒトの親しい存在の声色を模倣し、袋に手を入れさせる。そこから生命エネルギーを吸収するのだ。