ベターマン

話 -story-

十八夜 飢-kawaki-

 アカマツたちは、カクタスの遺体が安置されている富士樹海の生医学材料センターを訪れていた。人間の遺体をバイオマテリアルとして活用し、病気に苦しむ人を救おうという施設である。そこで彼らが見たものは、カクタスの顔からアニムスの花…それもフォルテの実が生えている光景であった。
 その頃、ケータとヒノキはクラスメートともに、センターの近くでキャンプをしていた。ところが、助けを求めるメッセージがくびてれびに流れてくる。あわてて、センターに駆けつける二人。だが、中には人の気配がない。ようやく見つけたアカマツやサクラ、職員たちはケータとヒノキに襲いかかってくる。二人の肉を食おうとしているのだ。そこへ、またもヤクスギが現れる。迫る人々を気絶させたヤクスギであったが、その身に異変が発生し、窓の外へと飛び出していった。ヤクスギに救われたケータたちは、冷凍室に閉じこめられていたヤナギとカエデを見つけ出す。
 ところが、ケータとヒノキ、ヤナギまでもが異常な食欲にかられて、カエデを襲いだした。センターの屋上へと逃げるカエデ。そこに、ひとりの職員が接触してきた。カエデを仲間に引き入れようとする職員。しかし、それは操られたふりをしたヤナギとカエデが仕掛けた罠であった。
 逃亡した職員は、ラミアとセーメに追いつめられ、濃硫酸のプールに身を投げた。一方、フォルテの実を手に入れたボダイジュに、人類とベターマンの最大の敵カンケルが襲いかかろうとしていた……。

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