ベターマン

話 -story-

廿三夜 贄-mitugi-

 アカマツ工業に、巨大なクリスマスプレゼントが届いた。それは、アメリカ在住の科学者であるというアカマツの父が送ってきたものだ。モーディワープ本部と連絡がとれなくなってからすでに一月、本部がアルジャーノンで全滅したことは、ほぼ確実である。しかも、アルジャーノンの恐怖は、ついに一般市民の知るところともなっていた。
 一時の平和の中、アカマツ工業ではクリスマスパーティが行われていた。その中で、ヤナギとカエデは子供ができたことを発表、その場でささやかな結婚式が挙げられた。
 そのパーティからの帰り道、ケータはヒノキを自宅に誘う。いい雰囲気に盛り上がる二人であったが、ケータの眼前に次々と不思議な幻覚が現れた。そして、FAX用紙を身体に巻き付けた男に、ヒノキは気絶させられてしまう。
 目覚めたヒノキは、覚醒人のセリブヘッドに座らされていた。そこへ現れるラミア。男はウームヘッドに乗り込み、覚醒人を起動させる。ネブラの実を喰ったラミアと、男が操る覚醒人の戦いが始まった。シナプス弾撃で動きを封じられつつも、クラッシュウィッパーで反撃するネブラ。その衝撃で、男はウームヘッドから放り出された。FAX用紙がめくれ、明らかになったその素顔は、魔門のものであった。魔門はふたたび真ブラフマンになると、いずこかへとヒノキをさらっていく。その時、眠り続けていたサクラが、目を覚ました。

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