廿五夜 脳-kioku-
グリアノイドから放り出されたアサミは、モーディワープ・オフィサーのもとへたどりつく。そこでオフィサーは、ケータに隠された秘密を語り出す。ケータの脳には、ある人物の硬膜が移植されているというのだ。
その頃、ケータはリンカージェル貯蔵槽で目覚めていた。そこにはヒノキが横たえられている。ようやくヒノキと再会したケータの前に、魔門が立ちはだかった。アルジャーノンの真実を語り出す魔門。アルジャーノンとは病気でも異常現象でもなく、人類という種そのものが変革するために、遺伝子に組み込まれていたプログラムなのだという。カンケル発生という緊急事態を前に、眠っていたプログラムが発動したのだ。そこへラミアが現れ、ネブラと真ブラフマンの戦いが始まった。激しい戦いの末、真ブラフマンに勝利するネブラ。だが、今度はカンケルが出現し、ネブラの身体を貫く!
一方、オフィサーのもとでアサミは、すべてが七年前のダイブインスペクションから始まっていたことを悟る。カンケルとは、尊者ヤクスギが癌細胞の遺伝情報を呼び出すことで変貌した姿に、他ならなかったのだ。
魔門の生命が変貌したフォルテの実を手にしながら、横たわるラミア。カンケルがラミアにとどめを刺そうとした瞬間、一人で覚醒人を動かしたケータが、カンケルにシナプス弾撃を叩き込む。一瞬、ヤクスギの姿に戻ったカンケルは叫ぶ──「我を止めてくれ!」